睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)とは

寝ている時に一時的に呼吸が止まってしまう、あるいは低呼吸の状態が現れる病気です。寝ている間なので本人の自覚はほとんどなく、一緒に寝ている方がいなければなかなか気が付きにくい病です。しかし、潜在患者は日本だけで2〜300万人もいると言われています。睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、中枢性と閉塞性に分類されます。

中枢性睡眠時無呼吸症候群は、呼吸をコントロールしている脳がうまく働かないことで、睡眠時に呼吸が乱れることで生じます。ただし、中枢性の睡眠時無呼吸症候群の数は少なく、圧倒的に多いのは閉塞性です。閉塞性睡眠時無呼吸症候群はその名の通り、睡眠中に何らかの原因により気道がふさがってしまい、呼吸がうまくできなることで生じます。

なぜ気道が塞がってしまうかというと、

  • 重力による舌の落ち込み
  • 肥満により首回りの脂肪が多く気道が狭い
  • 扁桃やアデノイドの肥大

などが原因として挙げられます。

また、日本人は顎が小さいことが多く、舌が収まるスペースが狭いため、太っていなくても舌が落ち込み気道を圧迫させやすいと言われます。医学的には、睡眠時無呼吸症候群は、無呼吸状態(呼吸が10秒以上止まった状態)が一晩に30回以上、 もしくは1時間あたり5回以上あると睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合の検査方法

睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合、まずは医科の病院やクリニックを受診しましょう。「睡眠外来」、「睡眠センター」などの専門の科がある医院もありますが、内科や呼吸器科、循環器科、耳鼻咽喉科などでも行っていることがありますので、お近くの医院を調べてみましょう。

症状が比較的軽度の場合は、上下の顎を固定するタイプのマウスピースを使用することで改善することがあります。どうしても寝ている際は、下の顎が下がり、同時に舌も落ち込み気道を狭くしやすいため、下の顎を固定するようにします。

睡眠時無呼吸症候群用のマウスピースを作る流れ

1.医科で紹介状をもらう
歯科医院で睡眠時無呼吸症候群用のマウスピースを保険で作る場合、医科からの紹介状が必ずいります。家族の方から、寝ているときに息がしていないことがあると言われたから、だけでは作成することができません。きちんと内科や耳鼻科で検査を受け、その検査の結果「睡眠時無呼吸症候群」と診断され、治療が必要だと言う旨の紹介状が必要です。
2.歯や歯ぐきに問題ないかを確認する
睡眠時無呼吸症候群用のマウスピースを作成するにあたり、お口の状態の型取りが必要です。そのため、きれいに型取りができるよう、虫歯や歯周病がないか、最初に確認します。歯に穴が開いた状態や、歯ぐきが腫れた状態では、うまく型をとることができません。その場合、マウスピースの型取りに先立って、虫歯や歯周病の治療を行います。根っこが膿んだりないか確認するために、レントゲンを撮ることもあります。また極端に残りの歯牙の数が少ないなどマウスピースを固定することが難しい場合は作成することができない場合もあります。
3.上、下の歯型をとる
お口の中に問題がなければ、マウスピースを作るための型を取ります。まずは上と下の歯全体の歯型をそれぞれ取ります。
4.マウスピース のお渡し
型取りしたものから、上下のかみ合わせを決めて(下あごを前に出した状態で固定し、舌の沈下を防ぐ)から固定し睡眠時無呼吸症候群用のマウスピースが完成します。保険適応となります。